2012年10月20日

龍吟


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てんぷら近藤のあとは、ここ5年ぐらいずっと行きたかった龍吟へ。
店名の由来は「龍吟雲起虎嘯風生」という句からだそう。
実は、和食って外食のなかでは食指が動かないジャンルの一つ。
だって和食って頑張れば自分で作れるような料理出されることも多いしね^^:
そしてここはミシュラン三ツ星ですが、まぁそんなことはどーでもいい。
今までミシュランの星付きレストランでどれだけ失敗したか(笑)
もうあんなもんとっくに信用してないし。
ここはそういうのを抜きにして、一度は来てみたかったお店。





料理は基本的に23100円のガストロノミーコースのみ。
ただし夜9:00以降はアラカルトでのオーダーも可能になる。
ちなみにどちらも10%のサービス料が別途かかる。(個室は15%)

今回は初めてだったので、23100円のガストロノミーコースをオーダー。





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天草緑竹と柔らか仕立ての蛸、焼茸のすり流し
さて、コースの開幕です。
焼茸のすり流しも濃厚でありながら野暮ったくなく、非常に上質。




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緑竹は旨みが詰まってうまい。食感もいい。
タコももちろんうまいし、乾燥させたエリンギもこの皿を構成する上で重要な食感と味を担う。






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讃岐オリーブ牛サーロインと松茸の温しゃぶ仕立て、佐渡の極上黒いちじくのごま和え





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牛肉はしっかり味があって良い。
出汁も非常に上質でありながら、濃すぎたり野暮ったくなく、野菜も含めちゃんと皿として調和した仕上がり。





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いちじくとフォアグラは一口で。
うまいです。





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ということでビールで喉を潤したあとは白へ。
本当は日本酒が飲みたかったのだが、見るからに好みとは違うものばかりだったし、頭痛を起こしそうなものも数種類見受けられた。
和食には合わないだろうという判断で、結局ワインにしました。
基本的に和食にワインを合わせる気は無いが、日本酒があまりにも残念だった場合はこちらの方が無難にまとまるのではないかと考えます。





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次は・・・






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蟹みそ豆腐を模した鮑の肝豆腐 煮鮑と毛蟹を乗せて 蟹酢の冷やしあん仕立て
蟹の甘味、鮑の肝の苦味、そして蟹酢の酸味、どれ一つとして無駄が無く、おいしかった。






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お次は??





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極上鱧スープで仕立てた鱧鍋仕立ての椀 松茸と共にすだちと菊の香りを添えて
こんなにうまい鱧があったのかと言うくらいうまい鱧。
そして鱧のスープが絶品・・・!
すだちも邪魔にならないなぁ。素晴らしい一品。うまかった。
これにおいしい熱燗があれば本当に最高でした。





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本日のお造り盛り合わせ 龍吟仕立て
実はこういうちまちまして色々な種類を盛ってあるのって好きじゃないんですよね。
でもこれはすべてにおいてレベルが違う。
一つ一つがちゃんとうまい。
そして醤油がちゃんとおいしいのもポイントが高い。
基本の調味料をおろそかにしている和食店がいかに多いことか・・・
寿司屋なんかでよくあるのだが、魚の質などは頑張っているのに、肝心の醤油やみりんなどが低質であるパターン。
あぁ言うのを見ると、もう少しちゃんとした調味料を使えばずっと良くなるのにと思ってしまう。






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中でも特にイカと鯛が秀逸でした。






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秋刀魚、秋茄子、栗、銀杏の龍吟仕立て





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秋刀魚は大ぶりでおいしい。肝のソースも上質。
ナス、栗との相性も驚くほど良い。
にぎやかな皿ではあるが、この料理を構成する上でどれ一つとして無駄な味、装飾は無い。







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北海道産 極上うにのレース包み サクサク揚げ すんだ豆を絡めて、焼きとうもろこしのすり流し
焼きとうもろこしのすり流しがとっても甘い。
かと言ってしつこさは無い。





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こちらもうに自体上質なのはもちろん、揚げることによって衣や他の素材との一体感が感じられ、意味のある料理になっている。
巻いてある海苔の質もとても良い。
細部まで抜かりが無い。




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天然大鰻の炭火焼 だだ茶豆ご飯 海老の赤出汁
漬物もとてもうまい。





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山本シェフのスペシャリテ、天然鰻の炭火焼。
今まで見たうなぎの中で一番肉厚。
もちろん、肉厚ならいいってもんじゃなく、ちゃんとうまいわけです。






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で、お腹に余裕があればおかわりとして「鶏飯」もいただける。
もちろん頂きました。






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そしてお腹に余裕があれば、手打ち蕎麦も食べられます。
このそばつゆ、めちゃくちゃうまい。
使用する出汁や調味料が非常に真っ当な質。
なおかつ甘味も非常に少なく、とてもキレがいい。






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蕎麦通に言わせればどうかわから無いが、すくなくともちゃんとおいしい蕎麦であることには間違いありません。






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ふたつの葡萄
山本シェフのデザートです、普通なわけありません(笑)
楊枝が刺さってる方は、二酸化炭素を注入してあり、しゅわしゅわ。
もう一方は液体窒素で凍らせてあり、中身はこんな感じに。





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焼きたて吟醸酒のおやき 玉子クリーム
ちゃんとうまい。






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薄茶をいただき、ごちそうさま。






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総じて言えることは、上質な素材を一切の手間を惜しまずに作られた渾身の皿であること。
どの皿についても味が鮮明に思い出せる。
それほど僕の中ではちょっと衝撃でした。
雑誌などでも何度も料理を見ていたし、一見奇をてらった料理なのかと思っていました。
しかし、和食としての基本を崩さず、なおかつそれを越えるような調理法、そして遊び心。
おそらく出汁などの基本の素材、そして調味料はもちろん、使用する素材の質は素晴らしいものがあると思います。
そして食べ物がどうすればおいしくなるかをちゃんと考えて作られた料理なのだと思います。
さらに一品一品ちゃんと「食事として」の量があるのも良いと思います。
少量多皿によくありがちな、何を食べた分からなくなるような量の料理ではありません。

支払う絶対的な金額ははっきり言ってかなり高いですが、それ相応、いやそれ以上の満足度はありました。
師匠である青柳なんて行かなくていい(笑)
日本酒が料理に合わないものしかないという点は非常に残念であるが、それを補って余るくらいに料理が素晴らしかった。
季節を変えて訪れたい名店でした。
ごちそうさまでした!

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東京都港区六本木7-17-24
03-3423-8006
営業時間18:00〜翌1:00(L.O.22:30)
日曜、祝日休
posted by 1031 at 03:35| Comment(5) | TrackBack(0) | 和食など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月17日

ナゴヤ ビーガングルメ祭り2012 〜ビーガン(vegan)という考え方への考察〜


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先日鶴舞公園で行われたビーガングルメ祭りに行ってきました。
僕はビーガンでもなんでもないが、こういうイベントの方向性や出店しているお店自体に興味があるので。

ちなみに、ビーガンという単語を知らない人のために簡単に説明しておく。
ビーガン(ヴィーガン:vegan)とは菜食主義のことを指す。
程度の差はあれ乳製品や卵の摂取までは禁止していないベジタリアンに比し、ビーガンではこれらまでを非常に厳格に制限している。
ビーガンはいわばベジタリアンの強化版と言ってほぼ差し支えない。
一方で似たような考え方の一つに「マクロビオティック(マクロビ)」がある。
こちらでは考えの根本が菜食主義に始まっているわけではなく、どちらかと言えば地産地消や身土不二という考えによるもの。
その結果として動物性食品の摂取が無いだけであり、このマクロビと言う考え方自体は菜食主義とは似ても似つかない。
しかし、マクロビやビーガンを実践する人(店)の間でもこれらを正しく理解している人は少ないと言えるのが現状。
ちなみにマクロビという考え方については以前記事にまとめたので、興味のある方は見ていただければ幸いです。
マクロビという考え方 その1(空色曲玉)の記事はこちら
マクロビという考え方 その2(ピンチオブソルト)の記事はこちら
マクロビという考え方 その3(コビファクトリー)の記事はこちら
マクロビという考え方 その4(ララ・ナチュラル)の記事はこちら





さて、イベントで食べたものの紹介。




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ま、まずはビール(笑)






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韓's naviと言うお店のキムチ。
余計な味が無くておいしい。
塩麹が入っているらしいが、別になくてもいい。






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ナタラジと言うお店の野菜カレー。
素朴。悪くは無いけど、色々足りない。





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スパイス精進 モハマヤバートのカレーを食べてみる。





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どれも素朴においしい。








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judah cafeというお店のアイタルシチュー。
大豆タンパクのから揚げが乗ってる。






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ビール飲んでふらふら〜^^





思ったよりもたくさんのお店が出ていてなかなか楽しめました。
おなかいっぱい^^


さて、ここからはビーガンという考え方、近年の流れについての考察を。
(※今回紹介したお店の良し悪し、イベントの良し悪しとは全く関係ありません。)

まず冒頭でも述べたように、ビーガンとは厳格な菜食主義のことである。
肉や魚はもちろん、卵、乳製品などを食すこともすべて禁じている。
世界には宗教上菜食主義(もしくはそれに近い考え方)にならざるを得ない地域はあるものの、日本におけるビーガンはほぼ大半が自らの健康管理目的や単なる流行によるものが大きい。
ビーガンと言う考え方自体は僕自身、否定も肯定もしないが、いくつか疑問に思う部分がある。
その最たるものは、「ソイミート(大豆タンパク)」である。
(ソイミートという呼び方自体も嫌いなのだが、一応便宜上ソイミートと呼ぶことにする。)

ソイミートとは大豆の成分からタンパク質のみを化学的に抽出し、その繊維状の塊を肉のように見立てた商品のこと。一般的には「鶏肉みたい」という表現がなされる。
僕も何度もソイミートを食べたことがあるが、個人的な感想としては鶏肉と似ても似つかない食べ物です。
そしてなぜかビーガン、マクロビを実践する人(店)に非常によく好まれて利用されている。
実際に今回のイベントでもこのソイミートを売り出すお店が多すぎてうんざりしたほど。
今回のイベントに限らず、よく謳い文句に「鶏肉みたい」だとか「肉みたい」、「から揚げみたい」などと表現されるが、なぜそういう表現をするのか理解に苦しみます。
自分の思想として肉を食べないのであれば、わざわざ「肉に似せる」必要はないし、そういうのを聞くと「結局肉食べたいんだよね?」と思ってしまう。

肉が食べたいけど我慢しているということだろうか?ここまで来るともはや修行である。
それなら肉を食べればいいじゃないかといつも率直にそう思う。
もし本当にビーガン、マクロビを実践するのであれば、わざわざ大豆のタンパク質だけを抽出して肉に見せかけた食べ物を食べず、例えば煮豆を食べればすべて丸く収まる話ではないか。

もちろん、この商品の存在価値を完全に否定するわけではありません。
「ソイミートという食べ物自体の味が好き」だから食べていると言うのであればそれはそれでいいのではないかと思います。
しかし、繰り返しますが、ソイミートは不味い(もしくは肉に劣る)けど、健康のために食べる!
などという考え方は根本が間違っています。
しかも別に低カロリーでもないし、ヘルシーでもない(そもそもヘルシーってなんだ?笑)



あと、これはビーガンやベジタリアンに見られる場合が多いと個人的に思うのだが、意外と「化学調味料」には寛容なんですよね。
菜食主義を謳っているお店(商品)でも化学調味料が強く、全くもって自然の味ではなく、食べるのがしんどくなったことが何度かあります。
化学的な抽出、存在自体不自然とも思われる先のソイミートに加え、化学調味料・・・。
こういう点には意外と寛容なんだね・・・。



また、今回のイベントでもお菓子の出店がいくつも見られました。
そしてその大半が洋菓子であったことも見逃せません。
バターの代わりに菜種油やオリーブオイル、牛乳の代わりに豆乳を使った焼き菓子類・・・。
ビーガンという思想からすれば必ずしも間違いとは言えないかもしれません。
(だからと言って決して低カロリーではないけどね。)

では、なぜ和菓子ではいけないのか?
大半の伝統的な和菓子はバターも牛乳も使いません。
それこそ、小豆、寒天、いも類、豆類、上新粉などなど・・・ビーガンにはぴったりではないか!
なのに、それなのに、猫も杓子も洋菓子を出す。
まぁ結局は洋菓子にそれだけ憧れがあるのでしょうね。
それも結局は「我慢しているんだよね?」と思ってします。
バターや牛乳、卵なくしておいしい洋菓子を作ることは不可能です。
しかし、バターや牛乳や卵がなくてもおいしい和菓子を作ることは可能です。


ビーガン、マクロビにしても大半の人(店)はあまりにも知識が浅はか過ぎます。
以前にも何度か述べていますが、ことマクロビに関しては僕は程度と方向性さえ間違えなければ基本的には賛成できる考え方だと思っている。
売り出す側ももう少し勉強してほしいものである。

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posted by 1031 at 01:42| Comment(16) | TrackBack(0) | 栄養学など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月13日

てんぷら近藤


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ファラフェルを食べた後は、てんぷら近藤に行ってきました。
ミシュランで星を取る前に二度ほど行ったと思うが、その時においしかった記憶があるので、今回久し振りに訪問。
以前からそうだったかは分かりませんが、現在お昼は12:00〜と13:30からの二部制。
僕は13:30ちょうどに伺ったのだが、15分ほど待たされることに。
しかも僕だけではなく、13:30に予約した方ほぼ全員が待たされているようだった。
予約時間に客を受け入れられないならそんなに詰め込んではいけない。





お昼のコースは2種類あり。6300円と8400円。
種類も内容も変わるよう。
せっかくなので8400円のコースをお願いした。


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ビールを飲みながら待っていると、一品目。
店内に酸化臭は全く無く、味わってみても酸化臭や過酸化物質の味はしない。
油の質は良い。







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海老(×2)
これは文句なし。おいしいです。
レアすぎず、火を通しすぎず。





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アスパラ
「オーストラリア産のアスパラです」と言って供されたら、隣のマダムが、
「・・・え?国産じゃないの?」と難色を示しておられた(笑)
10月ですよ^^;






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原木椎茸、キス、ナス、玉ねぎ
特筆することは無いが、おいしかった。





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ピーマン
今日一番はこれ。
揚げることによって味がギュッと詰まり、おいしい。
ピーマン自体がおいしいと言うのはもちろんだが、だからと言って生で食べればいいかというとそういうことじゃなく、ちゃんと「おいしいてんぷら」に仕上がっている。






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いか






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穴子
天ぷらはここまで。これに天丼か天茶がついてコース一通りだが、その前にいくつか追加で注文した。






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人参
さつまいもと並んで近藤で有名なのがこちら。
人参自体はちゃんとおいしい。




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茗荷、栗
秋の味覚でございます。






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ということでシメの天丼。
漬物もちゃんとおいしい。




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デザートは洋梨。



総じてどれも適切な揚げ具合で良かったと思う。
コースを一通りと、追加で3品、ビール中瓶1本で1万円前半と価格はやや高めであるが、それなりの満足度はあると思います。
ただ、接客を含めたサービスはどうかと思う部分はいくつかありました。
やはり予約時間に客を受け入れられないのはどうかと思う。
何のための予約なのか。

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03-5568-0923
営業時間 12:00〜13:30(L.O.) 17:00〜20:30(L.O.)
日曜休
posted by 1031 at 12:28| Comment(4) | TrackBack(0) | てんぷら | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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