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てんぷら近藤のあとは、ここ5年ぐらいずっと行きたかった龍吟へ。
店名の由来は「龍吟雲起虎嘯風生」という句からだそう。
実は、和食って外食のなかでは食指が動かないジャンルの一つ。
だって和食って頑張れば自分で作れるような料理出されることも多いしね^^:
そしてここはミシュラン三ツ星ですが、まぁそんなことはどーでもいい。
今までミシュランの星付きレストランでどれだけ失敗したか(笑)
もうあんなもんとっくに信用してないし。
ここはそういうのを抜きにして、一度は来てみたかったお店。
料理は基本的に23100円のガストロノミーコースのみ。
ただし夜9:00以降はアラカルトでのオーダーも可能になる。
ちなみにどちらも10%のサービス料が別途かかる。(個室は15%)
今回は初めてだったので、23100円のガストロノミーコースをオーダー。

天草緑竹と柔らか仕立ての蛸、焼茸のすり流し
さて、コースの開幕です。
焼茸のすり流しも濃厚でありながら野暮ったくなく、非常に上質。

緑竹は旨みが詰まってうまい。食感もいい。
タコももちろんうまいし、乾燥させたエリンギもこの皿を構成する上で重要な食感と味を担う。

讃岐オリーブ牛サーロインと松茸の温しゃぶ仕立て、佐渡の極上黒いちじくのごま和え

牛肉はしっかり味があって良い。
出汁も非常に上質でありながら、濃すぎたり野暮ったくなく、野菜も含めちゃんと皿として調和した仕上がり。

いちじくとフォアグラは一口で。
うまいです。

ということでビールで喉を潤したあとは白へ。
本当は日本酒が飲みたかったのだが、見るからに好みとは違うものばかりだったし、頭痛を起こしそうなものも数種類見受けられた。
和食には合わないだろうという判断で、結局ワインにしました。
基本的に和食にワインを合わせる気は無いが、日本酒があまりにも残念だった場合はこちらの方が無難にまとまるのではないかと考えます。

次は・・・

蟹みそ豆腐を模した鮑の肝豆腐 煮鮑と毛蟹を乗せて 蟹酢の冷やしあん仕立て
蟹の甘味、鮑の肝の苦味、そして蟹酢の酸味、どれ一つとして無駄が無く、おいしかった。

お次は??

極上鱧スープで仕立てた鱧鍋仕立ての椀 松茸と共にすだちと菊の香りを添えて
こんなにうまい鱧があったのかと言うくらいうまい鱧。
そして鱧のスープが絶品・・・!
すだちも邪魔にならないなぁ。素晴らしい一品。うまかった。
これにおいしい熱燗があれば本当に最高でした。

本日のお造り盛り合わせ 龍吟仕立て
実はこういうちまちまして色々な種類を盛ってあるのって好きじゃないんですよね。
でもこれはすべてにおいてレベルが違う。
一つ一つがちゃんとうまい。
そして醤油がちゃんとおいしいのもポイントが高い。
基本の調味料をおろそかにしている和食店がいかに多いことか・・・
寿司屋なんかでよくあるのだが、魚の質などは頑張っているのに、肝心の醤油やみりんなどが低質であるパターン。
あぁ言うのを見ると、もう少しちゃんとした調味料を使えばずっと良くなるのにと思ってしまう。

中でも特にイカと鯛が秀逸でした。

秋刀魚、秋茄子、栗、銀杏の龍吟仕立て

秋刀魚は大ぶりでおいしい。肝のソースも上質。
ナス、栗との相性も驚くほど良い。
にぎやかな皿ではあるが、この料理を構成する上でどれ一つとして無駄な味、装飾は無い。

北海道産 極上うにのレース包み サクサク揚げ すんだ豆を絡めて、焼きとうもろこしのすり流し
焼きとうもろこしのすり流しがとっても甘い。
かと言ってしつこさは無い。

こちらもうに自体上質なのはもちろん、揚げることによって衣や他の素材との一体感が感じられ、意味のある料理になっている。
巻いてある海苔の質もとても良い。
細部まで抜かりが無い。

天然大鰻の炭火焼 だだ茶豆ご飯 海老の赤出汁
漬物もとてもうまい。

山本シェフのスペシャリテ、天然鰻の炭火焼。
今まで見たうなぎの中で一番肉厚。
もちろん、肉厚ならいいってもんじゃなく、ちゃんとうまいわけです。

で、お腹に余裕があればおかわりとして「鶏飯」もいただける。
もちろん頂きました。

そしてお腹に余裕があれば、手打ち蕎麦も食べられます。
このそばつゆ、めちゃくちゃうまい。
使用する出汁や調味料が非常に真っ当な質。
なおかつ甘味も非常に少なく、とてもキレがいい。

蕎麦通に言わせればどうかわから無いが、すくなくともちゃんとおいしい蕎麦であることには間違いありません。

ふたつの葡萄
山本シェフのデザートです、普通なわけありません(笑)
楊枝が刺さってる方は、二酸化炭素を注入してあり、しゅわしゅわ。
もう一方は液体窒素で凍らせてあり、中身はこんな感じに。

焼きたて吟醸酒のおやき 玉子クリーム
ちゃんとうまい。

薄茶をいただき、ごちそうさま。

総じて言えることは、上質な素材を一切の手間を惜しまずに作られた渾身の皿であること。
どの皿についても味が鮮明に思い出せる。
それほど僕の中ではちょっと衝撃でした。
雑誌などでも何度も料理を見ていたし、一見奇をてらった料理なのかと思っていました。
しかし、和食としての基本を崩さず、なおかつそれを越えるような調理法、そして遊び心。
おそらく出汁などの基本の素材、そして調味料はもちろん、使用する素材の質は素晴らしいものがあると思います。
そして食べ物がどうすればおいしくなるかをちゃんと考えて作られた料理なのだと思います。
さらに一品一品ちゃんと「食事として」の量があるのも良いと思います。
少量多皿によくありがちな、何を食べた分からなくなるような量の料理ではありません。
支払う絶対的な金額ははっきり言ってかなり高いですが、それ相応、いやそれ以上の満足度はありました。
師匠である青柳なんて行かなくていい(笑)
日本酒が料理に合わないものしかないという点は非常に残念であるが、それを補って余るくらいに料理が素晴らしかった。
季節を変えて訪れたい名店でした。
ごちそうさまでした!
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東京都港区六本木7-17-24
03-3423-8006
営業時間18:00〜翌1:00(L.O.22:30)
日曜、祝日休