2011年09月28日

日本人は牛の子か 〜後編〜


人気ブログランキングに参加しています。

お時間が許せば、ぜひコメント欄まで目を通していただき、多数の読者の方や僕がどのような考え方であるかを見ていただけると嬉しいです。

milk4.jpg
さて、前編で牛乳を食品学的観点、栄養学的観点から掘り下げて、その特徴を簡単にまとめました。
そして現代の日本人はカルシウム不足なのではなく、リンの過剰摂取状態にあり、カルシウムの吸収不全を招いている可能性を説明しました。
では「リンの過剰摂取を招いた最大であり、最悪の原因は何か?」という点について。







そう、それは・・・



















milk2.jpg
それはなんと、加工食品やインスタント食品の消費増加なのです。
加工食品やインスタント食品とは具体的に言うと、ハム、ソーセージ類、練り物、スナック菓子、冷凍食品、インスタントラーメン、缶詰、レトルト食品etc...など挙げ出すとキリが無いくらい。
こういうものにはほぼ例外なく、保存料、pH調整剤、結着剤、その他もろもろの添加物としてリン酸塩(リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、その他多数)が含まれる。
しかもこのリン酸塩・・・、物によっては使用基準が無い
つまり法によってこれ以上使ってはいけないというラインが決められていない物もあるのだ。
このリン酸塩こそが最大の元凶なのである。
先にも述べたとおり、リンの過剰摂取は直接骨形成に影響する。
こんな物を長期にわたり過剰に摂取していれば、いくらカルシウムを取っても骨は強くならない。
逆に言えば、加工食品やインスタント食品がほとんど存在しなかった頃はカルシウムの摂取量は少なかったものの、リンの摂取量も現代に比べ格段に少なかった。
これこそがカルシウム摂取量における一番の問題点である。
リンの摂取量も鑑みず、カルシウム摂取量に一喜一憂することはどれだけ無意味なことか分かっていただけただろうか。
牛乳をカルシウムという観点でしか見ず、猫も杓子も牛乳を飲めという教育をすることなど、それこそ愚の骨頂である。
骨折が、骨粗鬆症が、そして子供の発育が心配なのであれば、カルシウムの不足ではなく、リンの過剰に注意すべきである。
牛乳に相談しても何も解決してはくれない。

そういうことを全く理解せず、「子供の成長には牛乳!」思っている親がいるとすれば、即刻やめていただきたいと思う。
牛乳が好きで飲む分にはいいと思うし、飲むことが完全に悪だとは言わないが、人間の子供にとって牛乳は栄養が過剰すぎる。
ちょっと考えてみて欲しい。
牛の子供が短期間で数十kgも数百kgも体重を増やせるのはなぜだろうか?


それは牛乳と母乳の組成の違いにある。
そもそも牛と人間の成体を比べてもその体重差は歴然である。
牛は短期間で大きく成長する必要があるため、牛乳にはタンパク質脂質が多く含まれる。
人間は牛に比べると非常にゆっくり成長する。そのため多量のタンパク質や脂質は必要とせず、その代わりに母乳には糖分(乳糖)が多い組成となっている。
この組成こそがまさに人間にはぴったりなのである。
無理に人間に牛の乳を与えることは、栄養過剰になりやすく、小児の肥満や脂質異常(高脂血症)、ひいてはホルモンバランスの崩壊をも招くこととなる。
牛には牛に適した食べ物があり、人間には人間に適した食べ物がある。
それを全く考えず、ただ「栄養素が豊富」だと言う理由だけで牛乳を推奨することは甚だおかしい。
繰り返すが、「子供の成長のには牛乳!」だとか「水を飲むくらいなら牛乳!」というおバカな考えを持っている方は即刻やめた方が良い。
少なくとも牛乳を飲むことは健康上なんのプラスにもなりませんから。




以上を簡単にまとめれば、
・日本人はカルシウム不足ではなく、リンの摂取過剰である。
・成長と言う観点から見れば人間に牛乳は必要ない。
・現在のカルシウム摂取基準自体がおかしい。(これはカルシウムに限ったことではないが。)




・乳糖不対症について
乳糖不対症とは牛乳中にほぼ限定的に含まれる「乳糖」が分解できないために、お腹を下す症状のことを言う。
全般に日本人には欧米人に比べて乳糖を分解する酵素であるラクターゼの活性が低い人が多く、牛乳が体質的に合わない人が多いとされる。
実は乳幼児期にはこの乳糖を分解するためのラクターゼの活性が高いのだが、徐々に大人になるにつれラクターゼの活性が低くなってくる。
つまり乳糖を分解できない体になってくるのだ。
しかし、これは至って自然なことである。
なぜなら、大人になれば乳糖を分解する必要がなくなるのだから。
したがって「乳糖不対症」という、乳糖を分解できないことがいかにも劣っているかのように書くのはちょっとおかしいような気もする。
一部ではこの乳糖不対症を「乳糖分解酵素活性持続症」とする動きもある。
つまり、牛乳を飲んでお腹を下す人は至極健全な体であるのです。心配なさらず。
ま、かく言う僕は"乳糖分解酵素活性持続症"なのですが(笑)



・嗜好品としての牛乳

誤解の無いよう書いておくが、僕は牛乳の存在意義を否定しているわけではありません。
おいしいと思って飲んでいる人や、好きで飲んでいる人が飲むことはもちろん良いと思う。
それに特に洋菓子なんかはやっぱり牛乳や乳製品がたっぷり使われていた方がおいしいしね。
つまり牛乳は嗜好品としてはいいが、好きでもないのに、栄養を補うだとか、体にいいからという観点で飲む必要はないし、そうであれば飲まない方が良い。

それでも牛乳は子供の成長に必須だと考える動きはそう簡単にはなくなりそうに無い。
ここでちょっと僕の知人の話をさせてもらいたい。
その知人は食に対し非常に幅広い知識を持つ方で、二児の母である。
僕が知る限り、これほど自分と考えが合う人はそうそういないと思える、とても尊敬すべき人だ。
その方は子供に牛乳を飲ませてはいないそうだ。
そのことをママ友に話すと、決まってこう聞かれるそうだ、



「牛乳を飲ませないなら豆乳を飲ませるの?」


その方も言っていたが、なぜそういう考えになるのだろうか。
どうしても「乳」を飲ませないといかんのか!?
その方の答えは当然「別に豆乳も飲ませません(笑)」ですが。

ちなみにその方の名誉のために付け加えておくが、牛乳はあえて飲まない(飲ませない)だけで、おいしいケーキを焼くときにはちゃんと牛乳を使いますし、バターもたっぷり使います。
無理に豆乳を混ぜて焼いたり動物性食品不使用(笑)で焼いたりしません。








・まとめ

最後に僕の牛乳、およびカルシウムに対する考え方のまとめです。

・牛乳は飲まないに越したことは無い。
・牛乳を飲むことで栄養上プラスになることは全く無い。
・でも牛乳が好きで飲むことは全く悪いことではない。(できれば低温殺菌、ノンホモが良いが)
・牛乳を飲んでも身長は伸びない。
・日本人の平均身長が伸びたのは食の欧米化による栄養過多のせい。
・その栄養過多により平均身長は伸びたが、同時に生活習慣病も急速に増えた。
・嫌いなのに無理して飲む必要は全く無いし、それどころか悪影響すらあると考えられる。
・だからと言って代わり豆乳を飲む必要も全く無い。
・日本人は牛乳を飲んでお腹を下す方が正常。
・日本人にとってカルシウム必要量の基準は多すぎる。
・現代の日本人はカルシウム不足ではなく、リンの慢性的過剰摂取状態。
・リン過剰摂取の一番の原因は、加工食品やインスタント食品の消費増加にある。
・給食に牛乳は即刻廃止すべき。

日本人は牛の子か 〜前編〜 はこちら
日本人は牛の子か 〜後編〜 はこちら

人気ブログランキングに参加しています。
posted by 1031 at 21:20| Comment(41) | TrackBack(0) | 栄養学など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月27日

日本人は牛の子か 〜前編〜


人気ブログランキングに参加しています。



milk1.jpg
タイトルでお分かりの方も多いと思うが、今日は牛乳について少し深く掘り下げて書いてみたいと思う。
読者の方から牛乳の是非について教えて欲しいと言われていたことと、自身の私的見解と経験の覚え書きの意味もあります。

牛乳と言えば給食にももれなく出てくるし、配達を利用している方も多いかもしれない。
カルシウムが豊富だとか栄養バランスなどの観点から、今日牛乳は日本人には無くてはならないような存在となっているように思える。
おそらく牛乳を全く飲んだことの無い人などほぼ皆無なのではないでしょうか。


しかし、ちょっと考えて欲しい。
そもそも牛乳はその名の通り、「牛の乳」である。
つまり、牛の子供が大きく成長するためにあるものである。
それを人間が、ましてや大人までもが飲む必要が果たしてあるのだろうか・・・・。


そもそもなぜこれほどまでに牛乳が広く日本人に飲まれているのであろうか。
その根本を知るためには60年以上も遡らなければいけない。
それは戦後のことであるが、GHQからの指示により栄養調査(現在の国民健康・栄養調査)を行ったことによる。
このころより栄養の欠乏や子供の発育など様々な事柄を調査するため、「栄養改善法」により調査を行うことになる。
そしてこのことで、日本人は欧米の栄養学で言うところのいわゆる「栄養失調」と認定され、が戦後の食の欧米化に拍車をかけることになる。
それが何十年と言う年月をかけ、出来たのが現在の「日本人の食事摂取基準」である。
端的に言うと、日本人の食事摂取基準は大まかに分けられた各年齢区分ごとに必要な栄養素の量などを書いてあるもの。
これをどんなところで利用しているかと言うと、一番身近なのが「学校給食」である。また、よくTVなので栄養素が「足りない」だとか言うのは大抵はこの数値に基づいている。
これを根拠に現代の栄養学で定説とされているのが、「日本人は慢性的にカルシウムが不足している」という理論である。
種々の疑問点について順を追って説明していきましょう。




さて、まずは牛乳の食品としての表示などから話をしましょう。

・牛乳、加工乳、乳飲料ってどーちがうの?殺菌方法ってなーに?ノンホモとは何ぞや?

さて、牛乳のパッケージを見て欲しい。
その名称には代表的なものとして「種類別 牛乳」「種類別 加工乳」「種類別 乳飲料」などがある。
細かくはググれば出てくるので気になる方はそちらを見てもらえばいいが、簡単に言えば、「牛乳」と表記できる物は搾ったまま成分を調整していないもの。
「加工乳」は加工により生乳から脂肪を取り除いたり、なんらかの加工をしたもの。低脂肪乳などはこちらに当てはまる物が多い。
「乳飲料」は一部に生乳を用いているが、種々の栄養素を添加したり、香料等を添加した物。
代表的なものとしてはコーヒー牛乳などがある。


次に殺菌方法について。
殺菌方法には大きく分けて以下の3種類の方法が存在する。

@低温長時間殺菌
63℃〜68℃で30分かけて殺菌される。
この方法はパスチャライズド(パスツリゼーション)とも呼ばれる。パスツールさんが考えたってヤツね。(生物をかじったことがある人は聞いたことがあるかな。)
メリットとしては、タンパク質の熱変性や酸化が最小限に抑えられるため、風味が良い。(消化にも良いと考えられる。)
デメリットとしては低温殺菌であるために、菌が多く残存する。(食品衛生法で定められた範囲内ではある。)
そのため、腐敗が早い。
ちなみに75度前後で15秒程度での殺菌方法は高温短時間殺菌と言われ、菌の残存数はパスツリゼーションより少ないものの、タンパク質の熱変性等はやや進行しやすい。


A超高温短時間殺菌
日本の牛乳の大部分がこの殺菌方法。
130度前後で3秒ほどの殺菌。
メリットとしては当然ながら作業性が良く、大量生産に向く。
また細菌の残存数は少なく、@に比較すると賞味期限は長くなる。
デメリットとしては、タンパク質の熱変性や酸化は当然進むため、風味は落ち、消化も悪くなる。


B超高温短時間滅菌
150度程度で3秒かけて滅菌される。Aと似ているが、こちらは「滅菌」である。
こちらは別名「LL牛乳(ロングライフ牛乳)」とも呼ばれ、常温で3ヶ月程度の保存が可能。
メリットは当然、その保存性であることは言うまでも無い。
ただし、菌数が極端に少ないく外からの菌が繁殖しやすいため、開封後の腐敗は最も早いことは注意しなくてはいけない。
デメリットは超高温での滅菌であるため、当然風味は格段に落ち、場合によっては脂質の酸化臭や過酸化脂質による消化性の低下ということが挙げられる。


そして「ノンホモ」の表記について。
まず牛乳はその性質上、水中油滴型(O/W)のエマルションとされ、水の中に脂質(脂肪球)が安定なミセルを形成して存在する状態にある。
ただし、牛乳におけるその脂肪球は未加工の段階では大小様々である。
放置したり、衝撃を与えると脂肪球同士がくっつき、クリームが分離してしまう。
そこで、ホモジナイズ(=ホモジェナイズ:均質化)により、脂肪球を細かく均一な物にしてしまう。
そうすることによって牛乳の分離が防げる反面、脂肪の風味が格段に落ちるため、味は悪くなってしまう。
流通の過程でクリームが分離することはごくごく自然なことであるが、日本においてこの手の見た目の変化は非常に嫌われる(つーかクレームの対象)。
そのため、このようなホモジナイズ製法の牛乳が市場の大半を占めることになっている。
牛乳の飲み方も知らない農耕民族がこんなもの飲み始めるからまがい物を流通させることになるのだ。
一概にホモジナイズを悪いとは言いませんが、やっぱり牛乳の本来あるべき姿はこうじゃないと思う。




ということで、次はみんなが気になる、
・牛乳を飲むと身長が伸びるのか?
という点について。

巷ではよく「牛乳を飲むと身長が伸びる」ということが言われている。
これは100%間違いであるとは言えないが、だからと言って牛乳に身長を伸ばす成分が入っているとか、牛乳のカルシウムが成長に影響していると言うことはまず無い。
しかし、昭和以前から比べて日本人の平均身長が伸びたことは事実ですし、カルシウムの摂取量が多くなっているのも事実です。
一見するとこの二つに相関関係がありそうですが、実は注目すべきはそこではない。
先にも述べた食の欧米化により、昭和以前から比べるとカルシウムだけでなく、タンパク質や脂質の摂取量も格段に増えている。
つまりヒトが「生物として」大きくなるための要素は満たされていると言っても良い。
その豊富な栄養により日本人の平均身長は伸びてきたものだと思われる。
しかし、それが必ずしも日本人にとって良い影響があったかというとそれは違う。
食の欧米化が進むことにより、古来からあるべき日本の食は廃れ、それと共に栄養の摂取が過剰になってきた。
その結果、近年では生活習慣病が加速度的に増えている。
日本人の平均身長の伸びと生活習慣病の増加は強い相関関係にあります。
現代の日本人は身長は伸びたが同時に生活習慣病をも増やしてしまっている。
牛乳を飲むことと言うよりは、食の欧米化により乳製品、肉類の摂取が増え、結果的に身長の伸びにつながったと考えるのが一番自然である。
誤解の無いように断っておくが、これは平均的に考えた場合であり、ある個人に対し「身長が高ければ生活習慣病のリスクが高い」という理論を述べているわけではありません。







次は、
・日本人はカルシウム不足か?牛乳は人間の成長に必要か?
という点について。

栄養成分の観点から言って、牛乳はカルシウムが多いというイメージを持っている方が多いと思います。
牛乳に含まれるカルシウム量は100gあたり110mgで、その他の食品と比べると重量あたりのカルシウム量は際立って多いわけではない。
しかし吸収率は良く、カルシウム補給のためには有用であると考えることも出来る。
が、僕に言わせればこんなことを数値で測ったり、何かに取り付かれたようにカルシウムカルシウム言うことなど甚だ滑稽である。

現在日本人の食事摂取基準において、カルシウムの必要量は成人で600mg程度とされている。
まずはこれを基準において考えてみてくださいね。



では大まかに過去と現在のカルシウムの平均摂取量を見てみましょう。

昭和25年・・・約270mg
昭和45年・・・約500mg
平成22年・・・約530mg



昭和25年以降に急激にカルシウムの摂取量が伸びているのは先に述べたGHQによる介入が日本の食生活を大きく変化させたことによる。
ちなみに、これ以前のカルシウム摂取量はさらに少なかったであろうと推察される。
正確な値は分からないにしろ、大正以前は200mg前後、もしくはそれ未満であっただろう。

これを見て、不思議に思うことは無いだろうか・・・?
カルシウムが不足していると言われる現代に比べ、昭和20年代ではさらにその半分のカルシウム摂取量しかなかった。
しかし、それでこの年代の人は困っていたのだろうか・・・?
もっと言えば、この年代の人たちはカルシウム不足で骨も歯もボロボロ、骨折など日常茶飯事だったのだろうか?
もちろんそんなことが無いことくらい誰でも分かることです。
むしろ我々の親、祖父母、曽祖父母世代の人の方が骨も丈夫だったように思える。
結構なご老齢の方でも元気に畑仕事してたりね。
それに対して今の子供はどうだろう?転んで手を突いただけで骨を折ったりなんて話も聞くし・・・。
どれだけ贔屓目に見ても現代人が昭和以前の方々より骨が強いと言うことは考えにくい。




つまり、「昔の人はカルシウムの摂取量のわりに骨が強い」と一つの推察が成り立つわけである。
そして、その理由がある栄養素にあると個人的には結論付けている。




その栄養素が「リン」である。
リンはカルシウムを吸収するためには無くてはならない栄養素であるが、現代の食生活で不足することは非常に稀である。
どちらかと言えば過剰摂取の傾向にある。
リンの過剰摂取は逆にカルシウムの吸収不全を招き、骨をもろくしてしまう可能性がある。
リンを特に多く含む食べ物には肉類、魚介類、乳製品などが挙げられる。
簡単に言えばタンパク質のあるところにリンがあると考えればいい。
現代人は昔に比べ、タンパク質の摂取量が増えたことも、リンの過剰摂取の間接的な原因ではあるが、最大であり最悪の原因は実はもっと他にある。








milk3.jpg
さあ、その最大の原因とは一体なんなのでしょうか・・・?
牛乳の必要性はいかに・・・?

後編に続く!!

日本人は牛の子か 〜前編〜 はこちら
日本人は牛の子か 〜後編〜 はこちら


人気ブログランキングに参加しています。
posted by 1031 at 21:00| Comment(5) | TrackBack(0) | 栄養学など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月26日

食品表示の上手な読み方。〜カロリーオフの誘惑と特保への懐疑。


人気ブログランキングに参加しています。

今回は食品の原材料表示や規定について書いてみたいと思います。
以前に読者の方からも詳しく知りたいということがありましたので、まとめてみました。





hyoujigimu.jpg
まずはじめに、例えばこんな原材料表示があったとしていくつかポイントを見ていきましょう。

・原材料表示の免除
まずこの規定についてです。
原材料表示は基本的には使っているものすべてを表記する必要がありますが、ある一定条件を満たしている場合、その表示が免除される場合があります。
それが以下の場合、

@栄養強化のために使用された場合
(例)ビタミンC(アルコルビン酸)を酸化防止目的でなく、栄養強化のために使用された場合。
ちなみに、話はそれるが、上のイラストでは酸化防止剤として使用されているため、その用途と物質名を表記しなければいけない。これは発色剤と着色料も同様。

A加工助剤として用いられた場合
加工助剤とは食品加工の際に使用される添加物。しかし最終的にその食品から取り除かれるか、もしくは残留量がごくわずかである時表示が免除される。
(例)みかんの缶詰を作る時、皮を溶かすための塩酸と水酸化ナトリウムは表示しなくて良い。
これは塩酸、および水酸化ナトリウムは水で流されると同時にお互いが中和することから。
また話はそれるが、僕もみかんの缶詰を作ったことがある。
たとえ自分が作った物でも、塩酸と水酸化ナトリウム漬けにされた工程を思いっきり見た後ではちょっと食べる気になれなかったが(笑)

Bキャリーオーバー
(例)せんべいを焼く際に使われたしょうゆに含まれる添加物は表示しなくて良い。
これは簡単に言うと、食品を加工する際に使用された別の食品に含まれる添加物は表示の義務が無いということ。
上のイラストで言うと赤下線部のしょうゆやケチャップがそれに当たります。
つまり、たとえ無添加として売っている商品でもキャリーオーバーまで確認して完全に無添加であることはほぼ皆無である。
無添加と呼ばれる大半の商品にはおそらく添加物が含まれているでしょう。




・一括名表示
原材料は基本的にすべてを表記する必要がありますが、この規定はある特定の用途で使用する添加物について一括名での表示を認めていると言うものです。
その一例が上のイラストの赤下線部にある調味料(アミノ酸等)である。
個人的にこの表記が可能な点はやや問題であると感じている。
アミノ酸の代表的な物質はグルタミン酸ナトリウムであるが、グルタミン酸ナトリウムではなく、「アミノ酸」と表記するだけで毒々しさが無くなる。
そこで、多くの企業は喜んでアミノ酸やその他の化学調味料をアミノ酸等と表記して売るのだ。
化学調味料入れたい放題である。
ちなみに僕は化学調味料をうまみ調味料と呼ぶのは大嫌い。あんなもの工業的に作られた薬品なんだし、いかにも真っ当そうなうまみ調味料と呼ぶにはすごく抵抗がある。
さらに余談ですが、某化学調味料がやたらと「サトウキビを原料にして作りました」ということをアピールしているが、あれもかなりうまい手口だなと思う。
あれだとサトウキビから化学調味料を搾っています、天然の成分ですというニュアンスに取れてしまうが実際はもちろんそんなことは無い。
実際は人工的に作られたグルタミン酸の産生能がある細菌をサトウキビから抽出した糖分(エサ)や種々のビタミン、無機質、薬品が含まれる培養液の中での発酵によりグルタミン酸が作られると言うもの。
繰り返しますが、間違ってもサトウキビから抽出した物ではない。
もう誇大広告と言っても差し支えないレベル。




・バラ売り食品への表示
それ以外の場合として、バラ売りの商品について。
バラ売りの商品に関しては基本的に原材料表示の義務が無い。
つまりどんな物を使っていても、そしていくら添加物を使用していようと、上のイラストのような原材料表示をする必要は無いのだ。
スーパーなどでよく切り身になって売っているバラ売りの味付け魚とか・・・成分表示、無いですよね。
つまりそういうことなんです。
ただし、バラ売りであっても防かび剤と甘味料については表示義務が存在する。
スーパーなんかでバラ売りの輸入柑橘類なんかに防かび剤(チアベンダゾール、イマザリル、オルトフェニルフェノールとか)の表示がしてあるのを見たことがある方は多いのではないでしょうか。






さて、ここからは原材料表示以外の食品表示のカラクリをいくつか説明したいと思います。
まずはタイトルでも触れた
・「強調表示」についてです。

強調表示とはある一定の基準を満たした食品に対し、「〜たっぷり」「〜控えめ」「〜オフ」などの表示が出来る制度のことです。
その中でも代表的なものとして「カロリーオフ」「カロリーゼロ」があります。
カロリーオフについては食品100g中(飲み物の場合100ml)のエネルギーが40kcal未満(飲み物の場合20kcal未満)である場合に表記可能になる。
そしてカロリーゼロについては食品100g中(飲み物の場合100ml)のエネルギーが5kcal未満である場合に表記可能になる。

つまり勘違いしてはいけないのは、カロリーオフの食品は決してカロリーが無いわけでは無いということ。
カロリーオフのジュースをペットボトル1本飲めば場合によっては100kcal近く(大きいバナナ1本分)あってもまったくおかしく無いということ。
オフの表示などには気をつけましょう。





そして最後にもう一つ。
近年は健康への注目も無駄に高まっており、食品の中でも特に栄養機能食品、特定保健用食品(特保)などがよく取り沙汰されることがある。

この二つは共に食品であるが、その性質は大きく異なることを知っておいた方が良い。
まず、「栄養機能食品」は国が決めた規格や基準を満たせば表示が可能である。(規格基準型)
例えば一定の基準以上のカルシウムが含まれる食品に、栄養機能食品と表示することは、特別な許可が必要なくても可能である。
一方、「特定保健用食品」個別許可型と呼ばれ、国が特定の食品に対し個別に許可を下すことでしか表示することが出来ない。
しかも、許可にはある基準を満たすだけでなく、その食品が謳う効果が科学的に実証されていなければいけない。つまり、厳しい審査を乗り越えた「信頼」があるのである。
しかし、僕はその「信頼」こそが問題であると考えている。
特定保健用食品には様々あるが、その多くが「〜が気になる方に」「〜が高めの方に」という表記をされていると言えば気付く方も多いのではないでしょうか。
ただし、これはあくまで「食品」であって、治癒効果は無く、治癒効果を謳うことも出来ない。
つまり「血圧が下がります」や「体脂肪を減らします」などの表記は治癒効果を謳っているため、食品に表記すると、薬事法違反となってしまう。
そもそも特定保健用食品を使用したところで、劇的に効果があるものなどあるはずが無い。
それ以上に僕は悪影響の方が大きいと思っている。
「体脂肪が気になる方に」という油をたくさん摂取するために、揚げ物をたくさん食べるようにするなど、現状より悪化してしまうこと確実のウソのような話も冗談抜きで本当によく聞く。
食品はあくまで食品であり、薬ではない。ということを覚えておいて欲しい。
もし劇的な効果があるようなものが存在するとしたら、それは薬である。
繰り返すが、食品で健康に劇的に効果があるものなど絶対に存在しません。それでもコラーゲンとか信じちゃう人やオリーブオイル信者はこちらの記事こちらの記事も読んでみてね。


人気ブログランキングに参加しています。
posted by 1031 at 23:50| Comment(14) | TrackBack(0) | 栄養学など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。