2012年01月15日

数字で計ろう、魚の鮮度!?


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参考にさせて頂いているあるブログに興味深い記事が載っていたので、具体的な内容を以下に記します。



fish K.jpg
札幌市中央卸売市場は2012年2月から、魚の鮮度や脂の乗りを専用の機械で測定し、数値を魚に表示する取り組みを始める。消費者の魚離れを食い止め、取扱高の減少に悩む市場を活性させる狙いで、市によると全国の市場で初の試みという。
(中略)
鮮度については「K値」で表す。K値は魚が生きた状態だとゼロに近く、鮮度が落ちるほど値が大きくなる。




またとんでもないおバカな取り組みが出てまいりましたね。




まずはK値について簡単に説明。食品学みたいなものをかじったことがある人は分かると思うけど。
K値とは魚の体内にあるATP(アデノシン三リン酸)、ADP(アデノシン二リン酸)、AMP(アデノシン一リン酸)などの核酸系高エネルギー物質がどれくらい分解されているかを示すもの。死後時間が経過し、鮮度が落ちればこれらの高エネルギー結合が分解され、最終的には腐敗することになる。
数値は0〜100(%)で表す。

またATPは死後、以下のような経過(分解)をたどる。
ATP→ADP→AMP→IMP(イノシン一リン酸)→イノシン→ヒポキサンチン
イノシン一リン酸(以下便宜上イノシン酸と呼ぶ。)はいわゆる魚介の旨み成分であり、鰹節の旨みなんかはこれが主原料。
イノシン酸からイノシン、およびヒポキサンチンへの分解は通常の生体内では起こらず、死後の経過時間にほぼ比例して進む。特に含水量が多い状態で進みやすい。
イノシンとヒポキサンチンは特有の苦味や渋味を持ち、これが増えることがいわゆる「腐敗」と呼ばれる。


K値の求め方は以下の通り。
K値(%)=(イノシン+ヒポキサンチン)/(ATP+ADP+AMP+IMP+イノシン+ヒポキサンチン)×100

つまり核酸系物質の全体量に占めるイノシンとヒポキサンチンの量を百分率で示したもの。




もちろんK値の存在などは元より知っていたし、一定の存在意義はあると思う。
でも一般消費者、飲食店は研究者ではない。これが必要かというとそれは違うと思う。
魚なんてものは日ごろからスーパー(時には市場かな)に足を運び、てめぇの目で経験で知るものです。
「数値化することにより魚に馴染みの無い購入層にも分かりやすく・・・」との文面も確かあったように思うが、そんなことをしてしまえば、ほんの少しでも数値のいいものを選ぶことになり逆に今まで以上に廃棄が増えてしまうことにもなりかねないと思う。
本当になんでもかんでも数値化することが好きな人種が多いようだが、僕に言わせればこんなもの無駄以外の何者でも無い。
何度か言っているが、カロリーや栄養表示などの数字も大嫌い。カロリーなどと言う無駄な概念を数字で表す学問に疑問を覚えている。
ここここでも言ったが、栄養素信仰は本当に無意味、それどころか有害なのでやめて欲しい。


本当に市場を活性化させたいのであればこんなバカな数値化はやめて、売る側も本当においしい魚の食べ方を発信するとか本人達の食に対する考え方自体を改めるべき。
表面上の数値だけにとらわれて、食の本質を見失っているようではまったくお話になりません。
こんなことで食育(と本人達が言いたいかは知らないが)などと言われてしまう未来が来てしまえば、それこそたまったものではありません。
(ちなみに食育という言葉も大嫌いです)

とは言え、僕自身も市場が賑わってもっと魚の消費が増えれば良いと思っている一人です。近年では確かに魚離れは顕著だと思うし。
しかし、売る側の知識、それこそ食への考え方や方向性に一貫性が無さ過ぎる。
何度も繰り返すが、本当に市場を活性化させたい、ひいては魚をもっと食べて欲しいという思いがあれば、こんな表面上の馬鹿げた数字などどうでもいいんです。
売る側がもっと食の本質を知らなければまったくお話になりません。
ぜひ考え方を改めて欲しいと思う。

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posted by 1031 at 13:00| Comment(5) | TrackBack(0) | 栄養学など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月29日

「天然」という詭弁。


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tennen.jpg
近年、食べ物の表記で「天然」であることをアピールしてある物が増えてきているように感じる。
魚介類に代表されるように、「天然」と「養殖」が存在するものも多々ある。
魚介類などでは養殖の技術が進んで、天然と大差無いなどと言われている。
しかし、やっぱり味は天然に遠く及ばないと個人的には思っている。
もちろん、それは天然が良い、養殖が悪いと言う意味ではない。
養殖によって年中安定した価格で魚が手に入るようになったと言うのはメリットの一つではあると思う。
まぁ個人的にはそういうメリットは自然の摂理に反するので、別にありがたがるものではないと考えるが。
そう言った意味での天然、養殖の是非は語りつくされている感があるので、あえてここでは記事にしない。





さて、今回はそれとはちょっと違った観点で「天然に存在するもの」の意味すること、そしてその「危険性」を考えていきたいと思う。
今回は主に食品に含まれる原材料、添加物について。
原材料表示についてはこちらで述べているが、その原材料表示でいくつか疑問に思うことがある。
代表的なものにスポットをあてて紹介していきましょう。



@ぶどう糖果糖液糖(果糖ぶどう糖液糖)
まずはこれ。よほど気をつけていない限り、これを口にしたことの無い人はほぼ皆無だと思う。
その製造工程は、イモ類などのデンプンを原料とし、そのデンプンに糖化酵素や異性化酵素を用いて連続的にぶどう糖と果糖を精製するというもの。
ぶどう糖の方が多く含まれる場合は「ぶどう糖果糖液糖」、果糖の方が多く含まれる場合は「果糖ぶどう糖液糖」となる。
安価に大量生産できるため、ここ数十年の間に爆発的に生産量が増えてきている。
主に清涼飲料水に使用されているので、機会があればぜひ原材料表示を見て欲しい。
しかも、ぶどう糖も果糖も天然に存在する糖であるため、よほど敏感でない限りこれを砂糖の代わりに使用して何かを作ったとしてもほとんど違和感の無い味になる。

では一体何がいけないのか。
ぶどう糖は天然に存在するとは言え、果物などに少量含まれる程度。
もちろん、ごはんをはじめとした穀物に多く含まれる炭水化物も、分解されれば最終的にぶどう糖となって吸収される。
しかし、このように精製された単体のぶどう糖が大量に人間の体に入ってきた"歴史"は今までに無い。
ぶどう糖の過剰摂取は当然ながら急激な血糖値の上昇を招く。
それに伴い、血中の中性脂肪の上昇やひいては糖尿病、種々の生活習慣病にもつながる可能性もある。
人類の何万年という歴史の中でこれだけ精製されたぶどう糖が体に入って来たことなど無いのです。
これがどれだけ異常なことであるか認識しなければいけないと思う。
近年の生活習慣病の増加はこれだけが原因ではないにしろ、一因になっている可能性が無いとは言い切れないと思う。
「天然に存在する」からと言って、すなわちそれで危険性が無いということには全くつながらない。









Aグルタミン酸ナトリウム
次はこれ。
食品の原材料表示に記される、いわゆる「アミノ酸等」の一つ。
これに関してはある宣伝文句に非常に違和感を覚える。
某化学調味料メーカーの「サトウキビを原料に作られています」というもの。
これには怒りを通り越して企業努力というか、いかに消費者を騙すかという狡猾な考えが見え隠れし、感心すら覚えます。
余談ですが、僕は化学調味料をうまみ調味料と呼ぶことに非常に違和感を感じますし、大嫌いです。
僕は絶対にうまみ調味料などという呼び方はしません。
あれは化学調味料以外の何者でもありません。

さて、では化学調味料はどのように作られているのでしょうか。
まず述べておきたいが、化学調味料は間違っても「サトウキビを搾ってできたもの」ではありません。
実際は人工的に変異を起こして作られたグルタミン酸の産生能がある細菌を、サトウキビから抽出した糖分(エサ)や種々のビタミン、無機質、薬品が含まれる培養液の中での発酵によりグルタミン酸が作られると言うもの。
つまり、細菌がエサとしてサトウキビの糖分を利用し、副産物としてできた物がグルタミン酸なのである。
これを「サトウキビを原料に〜」と言い、天然だとアピールするのはいくらなんでも詭弁ではないか?




逆に、添加物を加えることが100%悪いとは言い切れないと思う。
その代表がハム、ソーセージ類に含まれる「亜硝酸塩」、いわゆる発色剤です。
亜硝酸塩は肉の色素(ミオグロビン)と結合し、鮮やかな発色を保つ効果があります。
通常、肉類の色素は加熱により褐色(メトミオグロモーゲン)に変化する。
しかし、亜硝酸を加えることにより肉の色素は非常に安定な形(ニトロソミオグロビン)となり、加熱を経ても鮮やかな赤色を呈する(ニトロソミオグロモーゲン)。
ま、これをキレイと見るか毒々しいピンクと見るか意見は分かれるところではあると思いますが。

さて、亜硝酸塩はこれ以外にもう一つ重要な役割を果たしているのです。
実はこちらの方が大切な気がする。
それはボツリヌス菌の繁殖抑制作用なのです。
ボツリヌス菌は、クロストリジウム属の偏性嫌気性細菌です。
嫌気性、つまり酸素の無い(少ない)環境こそがボツリヌス菌の最も好む環境なのです。
ハムとかソーセージ類では昔からボツリヌス菌による食中毒が多かったらしい。
それが亜硝酸塩の添加により劇的に減少したということは、やはり賞賛されるべきことかもしれません。

亜硝酸塩が添加物だからといって絶対に悪だと言う人がいるのであれば、ほうれん草をはじめとした葉物類は一切食べられなくなります。
だって、ハムとかソーセージの何倍も亜硝酸が入っているんですから。



つまり天然、人工などといったことが重要なわけではないのです。
はじめにも述べたとおり「天然に存在する」からと言って、それが人体に全く影響の無い物である保証はどこにもない。むしろたとえ天然に存在するとしても、精製された物を大量に摂取することは人体に何かしら悪影響があると思って差支えが無いはずである。
繰り返しますが、ぶどう糖をはじめ、人類の"歴史"の中でこれほど精製された食品が体の中に入ってきたことはないのです。
これだけに限らず、われわれ消費者は有機、無農薬、無添加などという言葉だけに惑わされ、食品本来のあるべき姿を見失い過ぎないようにしなければいけないと思う。
以前どこかで、「有機ぶどう糖」なるものを見かけたが、これも完全に本末転倒のような気がしてならない。
そこを有機にするくらいなら真っ当な砂糖は他にもあるだろう・・・という何とも言えないモヤモヤした気持ちになったのを思い出した。
だからこそ、「天然」という言葉はある意味詭弁にもなり得るということを理解して欲しい。

食べ物の本来あるべき姿を見直しましょう。

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posted by 1031 at 22:00| Comment(6) | TrackBack(0) | 栄養学など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月08日

勘違いの食育 その3 〜おかしな栄養バランス〜


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ra-men.jpg
東北方面記事の途中ですが、一時中断。
参考にさせていただいているあるブログに気になる記事があったので、僕も紹介してみたい。
その名も「インスタントラーメン 小学生レシピコンクール」



要綱の抜粋を以下に記す。

社団法人 日本即席食品工業協会では食育推進事業の一環として、全国の小学校4年生から6年生を対象とした、「インスタントラーメン小学生レシピコンクール」を開催します。平成23年度は第10回大会となります。
本コンクールは、小学生が身近にあるインスタントラーメン(カップや袋の即席ラーメン、即席うどん、即席そば、即席やきそば)を素材に、材料・調理法・栄養バランス・盛り付けなどについて自ら考え、調べ、調理を体験し、家族や友人とともに試食し、食について話しあうことができる機会を提供することを目的としています。

主催: 社団法人 日本即席食品工業協会
後援: 社団法人 日本栄養士会


栄養もおいしさも考えて楽しいインスタントラーメンを作ろう!
インスタントラーメンを使ったアイデアいっぱいの料理を募集(ぼしゅう)する「インスタントラーメン小学生レシピコンクール」。書類選考(せんこう)のあと、全国7地区で11月〜12月に地区大会が行われ、各地区から代表2〜3名が、12月17日(土)に東京で行われる全国大会に参加できます。みなさんのご応募(おうぼ)をお待ちしております。




うぅ・・・、めまいが(笑)
なんとまぁ恐ろしいことをコンクールとして開催しているのか、この日本即席食品工業協会というところは。
さて、ちょっと解説していきましょう。


>社団法人 日本即席食品工業協会では食育推進事業の一環として
食育と言えば何でも許されるのか。
誤解されるといけないのではじめに断っておくが、僕はインスタントラーメンの存在意義を否定しているわけではありませんし、日本即席食品工業協会が嫌いなわけでもなんでもありません。
食べるか食べないかは別にして、インスタントラーメンは便利だと思うし、その存在価値があるからこそこのように多種多様に商品化されているはずなのだから。
しかし、便利であるという長所は認めるが、こういうものに食育という言葉を持ち出すべきではない。(まぁ食育などという言葉自体も好きになれないが。)
そもそもこの協会も別に食育推進事業などと本気で思っているはずが無く、要するにアピールであり、宣伝であり、儲けのためである。
食育という体にしとけばイメージいいからね。
もう一度言うが、食育と言えばなんでも許されるのか?



>後援:社団法人 日本栄養士会
そしてこのコンクールとやら、先にも述べたとおり日本即席食品工業協会がただの宣伝で行っているならば百歩譲って、「うまいやり方だな」と思うだけで済んだ。
でもなんだ、「日本栄養士協会」って。
そこにお前が出てきてはいけない。

そしてこういう大会を本気で「食育推進事業」と思っている人が結構いそうで怖い。
インスタントラーメンに装飾を加え栄養バランス云々などは全く必要がない。インスタントラーメンは湯を注いで食えればそれでいいのだ。
食育なんてものはこういう無理矢理な形で実践するものではない。
本来食べ物はどういう形でその地域と風土と共にあるか、そして「いただきます」の意味を教えることからはじめてみてはどうか。
食育について思うことは山ほどあるし、言い出したらキリが無いのでこれくらいにしておきます。


最後にインスタントラーメンレシピの一例をご覧下さい。

因幡のいろどりラーメン
<材料>
即席めん(みそ)1袋/とうふちくわ(鳥取県産)/かに(鳥取県産)/長いも(鳥取県産)/西条柿(鳥取県産)/長ねぎ(鳥取県産)/なし(鳥取県産)/チャーシュー/ねぎ/紅しょうが

京の四季ゆばラーメン
<材料>
即席めん(しお):1袋 水400cc/豆乳:100cc/水菜:20g(約1束)/大根:100g/にんじん:30g/もみじ生ふ:15g/さくら漬:20g/ささみ:40g/乾燥ゆば:3g/片栗粉:大さじ1/水:大さじ1/2/焼肉ソース:大さじ1/2

サクサクチーズのホワイトラーメン
<材料>
即席めん(塩):1袋/じゃがいも:小 1ケ/人参:1/4ケ/玉ねぎ:小 半分/白菜:1/4枚/煮あさり:10ケ/コーン:大さじ1/スライスチーズ(プロセス):1枚/牛乳:300cc/水:200cc


め、めまいが・・・あせあせ(飛び散る汗)

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勘違いの食育その1 〜米粉パンを給食に〜 はこちら
勘違いの食育その2 〜地産池消という大義名分〜 はこちら
勘違いの食育その3 〜おかしな栄養バランス〜 はこちら
勘違いの食育その4 〜農林水産省の愚かな取り組み〜
posted by 1031 at 20:49| Comment(8) | TrackBack(0) | 栄養学など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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