2012年06月17日

勘違いの食育その4 〜農林水産省の愚かな取り組み〜


人気ブログランキングに参加しています。

syokuiku4.jpg
(クリックで拡大)
僕が参考にさせて頂いているブログにあるイベントが紹介されていましたので、記事にしたいと思います。


Let's食育! 〜食の楽しさ、大切さを感じよう
と題して2012年の6月11日〜6月22日の期間で農林水産省本省「消費者の部屋」にてイベントが開催されているらしい。

出ました、また食育(笑)
一つ一つにツッ込むのも面倒なので省略するが、しかしまぁなんと低レベルというか、無意味なことを・・・。
ちなみに何度か言っていますが、僕は「食育」などと言う言葉が大嫌いです。


『農林水産省は食育に対し真剣に取り組み、こんな有意義なイベントを開催しています』
みたいなアピールが見え見えで痛いし、もしアピールじゃなく本気で取り組んでこの様であれば更に問題。
だいたいこんなこと、税金を使ってやるような意味のある事業じゃない。

「何もしないよりはマシだろ」と思った方もちょっと考えてください。
すでにあなたは偽善食育事業の罠にハマっている可能性があります。

本当に子供の食を考えれば、真っ先に行うべきはこんなことではありません。
ましてや、給食に米粉パンなどという馬鹿げたものを出すことでもなく、そんな米粉パンを「地産池消」などと抜かし、さらには食育などとほざくことでもなければ、インスタントラーメンのレシピなるふざけたものを募ることでもありません。

ただ、子供の食に対しての最も有用な教育の場である、給食さえ「まとも」であればいいのだ。
つまり、日本人本来の当たり前の食を子供達に提供することが必要なのだ。
もっと具体的に言えば、一刻も早い完全米飯給食化が求められるはず。
給食ではその時期にその土地で取れるものをおいしく頂けばいい。
あえて言うなら、これが子供達にとって最高の食育になるはず。
子供はもちろん、大人たちが本当の意味での食を理解できる世の中になることを強く祈る。

人気ブログランキングに参加しています。

勘違いの食育その1 〜米粉パンを給食に〜 はこちら
勘違いの食育その2 〜地産池消という大義名分〜 はこちら
勘違いの食育その3 〜おかしな栄養バランス〜 はこちら
勘違いの食育その4 〜農林水産省の愚かな取り組み〜
posted by 1031 at 22:29| Comment(7) | TrackBack(0) | 栄養学など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月03日

塩が腐らないわけ。 〜腐敗への考察〜


人気ブログランキングに参加しています。

solt.jpg
皆さんは塩や砂糖に賞味期限が無いのはご存知だろうか?
なぜだか分かりますか?
結論から言えば、その理由は常温状態で非常に安定であるため、腐敗の心配が無いからなのです。

では、そもそも食品が「腐る」とは一体どういうことだろうか。
今回はその腐敗の意味を少し深く掘り下げて考えてみたい。

まず「食品が腐る」と聞いて真っ先に思い浮かべることはどんなことだろう。
おそらく、「臭い」「酸っぱい」などの味覚的、嗅覚的な変化が一番に思い浮かぶのではないだろうか。
それが腐敗の結果であることはごもっともです。
腐敗をあえて文章に定義するなら、「空気中などに存在する細菌や酵母などが食品に付着し、その微生物が生命活動を行うために消費されたタンパク質、有機酸などが分解され、臭気を有する物質を産生する過程」
といったところでいいのではないだろうか。



そしてもう一つ知っておかなければいけないのは、近年やたらと取り沙汰されている「発酵」について。
発酵も腐敗も基本的には微生物の生命活動の過程であることには変わりありません。
その過程により、人間に有害な物質を産生する際に「腐敗」、有用な物質を産生する際に「発酵」と人間が呼び分けているだけである。
どちらも自然現象であり、基本的には何か人間が手を下して行うものではない。
それは発酵についても例外でなく、発酵食品は人間が手をかける部分はあるにしろ、基本的には「自然とできる物」であることを勘違いしてはいけない。

さて、話を腐敗に戻します。
では人間にとって有害である「腐敗」を止めるためにはどうすればいいのだろうか?
食品の腐敗を防ぐと言うことは、すなわち微生物の繁殖と育成を防ぐと言うことであり、生命活動が出来ないようにすること。
具体的には次の手法が考えられる。


1.温度を下げる
これはつまり、温度を下げ、場合によっては冷凍をすることにより、微生物自体の生命活動を止めてしまおうということ。
冷凍をすれば微生物による腐敗はほぼ確実に防げます。
ただし、それは食味の低下を防げることと同意ではなく、冷凍によっても脂肪の酸化は防げない。
これがいわゆる冷凍焼けと言うもの。
長期の冷凍には腐敗とは異なるリスクが伴うことを忘れてはいけない。

ちなみに、この手法は言うまでも無く「冷凍保存」であり、近年技術の進歩により多く用いられているもの。



2.食品に微生物そのものを繁殖させない。または空気に触れさせない。
空気に触れさせなければ食品は容易に腐敗はしない。
また微生物自体の付着を防げば同様に腐敗を避けることが出来る。
微生物の繁殖はpHにも大きく左右され、pHを下げることにより(つまり酸性に近づけることにより)微生物の繁殖をある程度抑えることができる点も覚えておきたい。
この手法は、コンフィ、真空パックなどだろうか。





3.食品中の水分量を減らす
微生物と言えど、生命を維持するためには水は必須。
その水分を減らすことが出来れば、微生物の生命活動を極端に鈍らせることが出来る。
ではどのように食品中の水分を減らすのか。
ここで重要になってくるのが「水分活性」と言う考え方です。
水分活性とは、「食品を入れた密閉容器内の水蒸気圧と、その温度における純水の蒸気圧の比」という言葉で定義され、この比が小さければ小さいほど食品に微生物が繁殖しにくい。
つまり、腐敗しにくいということ。
正確に言えば、重要なのは「食品中の水分量を減らす」ことでは無く、「食品の水分活性を下げる」ことなのである。
ではどうすればこの水分活性を下げることが出来るのかという疑問が出る。

これを知るために、さらに食品に含まれる水分には大きく分けて2種類あるということを説明したい。
まず1つ目は結合水と呼ばれるもので、食品中の分子に結合した水分のこと。
2つ目は自由水と呼ばれ、分子中ではなく、組織の間隙等に含まれている水分のこと。
前者は非常に結合が強く、蒸発しにくく、凍結もしにくい(融点は約-30℃)
氷点下であっても植物の組織が容易に凍結しないのはこのため。
一方後者は容易に蒸発し、当然融点は純水と同じ0℃と考えて差し支えない。
つまり、水分活性を下げる過程で減らす水分は、この自由水なのである。

自由水を減らす方法は以下の手法が考えられる。

<乾燥させる>
その名の通り、風乾、天日干し、その他の乾燥法などによって、直接食品中の自由水の量を減らす手法。
この手法を用いた食品として代表的なものは、干し椎茸、切干大根、茶葉など。
派生として凍み大根、高野豆腐などがあるが、これは冷凍により物性を変性させ、その上で乾燥させたもの。

<塩漬け、砂糖漬けにする>
塩漬けや砂糖漬けにし、浸透圧の差を利用することによって、自由水を脱水する手法。
特に塩漬けを利用した保存食は、日本はもちろん、世界中で見られる。
塩漬けの食品が長期間保存できるのは、このように食品中の自由水を奪い水分活性を下げているからに他ならない。
ちなみに、同等の水分活性を得るために要する糖分の量は、塩分に比し格段に多い。
日本の保存食の塩分濃度が10〜20%程度のものが大多数である中、砂糖を使った保存食であるジャムの糖分濃度は40〜70%程度にもなる。
塩漬けを利用した食品として代表的なものは、糠漬、干物、からすみ、ベーコン、生ハムなど。







このように、保存食品を作るためには、いかにして水分活性を下げるかと言うことに尽きる。
冒頭にも述べた塩が腐らない理由と言うのはまさにここにあり、塩は含水量が非常に少なく、なおかつ自由水が非常に少ない。また融点が非常に高く、常温の結晶で非常に安定と言うことなのだ。

つまり、水分活性を下げれば下げるほど、微生物類の繁殖を抑えられるわけだ。
ところで、微生物類といっても様々いる。
水分活性への耐性が弱い順から、大まかに記してみる。

一般細菌類<ボツリヌス菌<酵母<カビ

諸説あるが、大体こんな感じで間違いない。
食肉の加工品、飯寿司などで、古くからボツリヌス菌による食中毒があるのはこの辺りからも想像に難くない。
さらに、カビが水分活性の低い環境に著しく強いのは、保存食品を作ったことがある人ならよくわかるだろう。
保存食品、発酵食品においては、腐敗はしなくとも、カビが生えることは非常によくあること。

このように、塩漬けにより、先人達は数多くの保存食品や発酵食品を作ってきた。
もちろん、それそのものがおいしいからと言う理由ではなく、必要に迫られてやっていただけ。
その昔は保存料をはじめとした添加物などと言う物質は存在しない。塩を使うしかなかったわけだ。
水分活性などと言うことを知ってたわけではない、経験からそうする事ができたのだ。

さて、話が色んな所に飛び火してしまったが、結論をまとめてみる。

・塩が腐らない理由と言うのは常温で非常に安定な結晶であると言うこと
・さらにその塩を使うことによって、食品の水分活性をいかに下げるか(水分を抜くこととほぼ同義)ということが、食品を長期にわたり保存する最大の手段となる。
・腐敗と発酵は表裏一体であり、紙一重。どちらも微生物類の生命活動の過程。つまりほとんど人間が手を加えることなくごく自然に起こる。
人間にとって有害な物を腐敗と呼び、有益な物を発酵と呼び分けているだけ。

塩って素晴らしい!

人気ブログランキングに参加しています。
posted by 1031 at 22:30| Comment(10) | TrackBack(0) | 栄養学など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月15日

「生乳」の可能性を知る。


人気ブログランキングに参加しています。

突然ですが、みなさんは「生乳」「牛乳」の違いはご存知だろうか?
生乳とは、加熱殺菌もホモジェナイズもしていない絞ったままの乳そのもののこと。ここでは便宜上牛の乳の事として説明する。
牛乳とは生乳を加熱殺菌したもの。いわば製品として出荷するための形態である。






当然現在の日本では加熱殺菌が義務付けられており、市場に出回る牛乳はほぼ100%何らかの加熱殺菌を施してある。
しかし日本で唯一、「生乳」としての販売が認められている商品が存在する。
それが想いやりファーム「想いやり生乳」なのです。
そんな想いやりファームの長谷川竹彦氏の講演が少し前に石川県の某所で開催されたので、行ってお話を聴いてくることにしました。







omoiyari1.jpg
まず、生乳は牛乳と全くの別物であるということの説明があった。
加熱することにより、生乳は牛乳という「加工食品」になる。
どちらがいいとか悪いとか、どちらの方が価格が安いとか高いとか、どちらの方がおいしいとか、そういう観点では比べられないのだ。
例えば小麦粉とパンを同列で比較できないのと同様、ブドウとワインを同列で比較できないのと同様、そもそも比べるられる物ではない。
長谷川氏も牛乳を否定するつもりは一切無く、生乳とはいかなる物かということを切々と語ってくれたのが非常に印象的であった。
先ほども述べたが、本来牛乳は製品として扱うためには加熱殺菌の必要がある。
なぜ加熱殺菌をしない生乳の状態で出荷できるかは割愛させていただくが、気の遠くなるような手間をかけていることに非常に驚いた。

細かな話に関しては長谷川氏の講演を聴くことをぜひオススメするが、中でも非常に印象に残ったお話として、いくつか紹介したい。


「想いやり生乳は腐らない」
この生乳は菌叢が非常に良好で、酵素や乳酸菌が生きているため、雑菌が繁殖しないそう。
法律上、保存温度や消費期限の記載はあるが、本来は常温で長期保存できるものだそう。
自然に発酵することはあっても、腐敗はしないと言い切っておられた。
ということで、僕も購入した想いやり生乳を常温で1ヶ月放置しているが、今のところ全く変化は無い。


「生乳は母乳の代わりになる」
これは大変驚きました。100%信用するかどうかはともかく、長谷川氏はある程度検証されているようです。
まさか牛の乳が母乳の代わりになるとは思ってもいなかった。
当然ですが、長谷川氏も「牛乳は赤ちゃんの飲み物として適さないし、母乳の代わりにはならない。もちろん、人間の体にとって良いということはない。」とおっしゃっていました。
このあたりは僕の考えている部分とおそらく合致していると思われます。
(繰り返しますが、長谷川氏は牛乳の存在意義を否定しているわけでは全くありません。それはそれとして良いものとおっしゃっています。)

しかし、非加熱の「生乳」の状態であれば、酵素も生きているしタンパク質の変性も皆無。
つまり、母乳の組成とは異なるものの、代わりとして用いることは十分に可能なのだそうだ。

まとめると、赤ちゃんにとって母乳に勝る食べ物は無い。しかし生乳に限れば牛の乳であろうと、その他の動物であろうと組成に大差はなく、成長の妨げにはならない。と言ったところであろう。








omoiyari2.jpg
試飲。
舌触りは非常に滑らか。
一切の引っ掛かりが無く体に馴染む。
うまいとかまずいとかではなく、「すごい」と言う印象。
俗に言う濃くてうまい牛乳とは全く違いますし、言い方として適していないとは思うが、味は「薄い」です。
しかし、ホルモン剤や得体の知れないエサを与えられ、自分の子を育てる何十倍もの牛乳がでる体に仕立て上げられた運動不足で満足な健康状態でない牛から搾られた高温殺菌ホモジェナイズ牛乳を飲むことの不気味さに、心の底からはっとさせられた瞬間でもあった。






omoiyari3.jpg
720mlで1050円。(最近1575円に値上げされたそうです。)
一見高価ではあります。
しかし、詳しくは書きませんが、気の遠くなるほど手間のかかった生乳です。
この価格に感じる疑問など皆無です。
お子さんがいらっしゃる方、牛乳のこと、そして子供の給食のこと、ひいては現代の食に関する何かに疑問を持ったり考えようとしている人は一度でもいいからここの生乳を味わって欲しいし、ぜひホームページやパンフレットを一度読んでもらいたいと願います。


食品に関する考え方などは、自分が賛同するか否かは別としてかなり広範囲に渡り知っているつもりでした。
しかし、こんな考え方があること自体に考えが及ばなかったと思わされる部分が多々あり、今までで聞いた食に関する講演の中でもかなり驚きが多かった部類に入る。
これを飲むことの是非やそれだけの問題ではなく、食に関する見解を深めたいと考えている方はぜひとも聴くべきだと感じた。
木次乳業とは生み出す製品は異なりますが、決して異なる方向性ではない。
本質的な食を見つめ直すと言う意味でどちらも大変参考になる話であった。
ここ最近で様々な貴重なお話を聞き、改めて自分の探求すべき食の方向性を確認した次第です。


とても素晴らしい講演をありがとうございました。

人気ブログランキングに参加しています。
posted by 1031 at 23:26| Comment(10) | TrackBack(0) | 栄養学など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。