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販売開始前から話題になっていたし、存在は知っていたが、最近さらに注目度が上がっているらしいので、自分なりにこの商品への考察をしてみた。
福萬醤油
この商品の概要としては、仕込みの使用する塩分をゼロにし、塩分を摂取せずに醤油の風味だけを料理につけることができるというもの。
今の不要で過剰な減塩ブームに乗っている商品としてはなかなか上手だなとは思う。
では、なぜこのような醤油風調味料を作ることができたかと言うことになる。
まずは本来の醤油の製法はを簡単に説明します。
ここでも分かりやすく解説してありますので、ぜひご覧下さい。
@大豆を蒸す。小麦を炒る。
Aこれらを麹菌と塩水と共に混ぜる。(もろみの完成)
Bもろみを十分に熟成させる(この過程で乳酸発酵、アルコール発酵が進む)
Cもろみから醤油を絞る(生揚げ醤油の完成)
D火入れする(醤油の完成)
このように醤油を製造する過程では麹菌や乳酸菌と言った微生物の力を使っているわけです。
麹菌は大豆や小麦のタンパク質をアミノ酸に変え、デンプンをグルコース(ぶどう糖)に変える。
アミノ酸はもちろん旨みの元になり、グルコースは乳酸菌のえさとなり、乳酸菌はグルコースを使い、生命活動を行うことにより乳酸を産生する。
この乳酸が醤油自体の旨み、香り、味となるほか、pHを下げ(つまり酸性にし)醤油自体に他の細菌類が繁殖しにくい菌叢と安定な状態を作り上げている。
では、今回問題にしたSOY-ZEROという商品ではどのように塩分ゼロの環境を作っているかというと、上記Aの過程で加える塩水の代わりに、醸造アルコールを加えていると言うことらしいのだ。
これにより、通常の濃い口醤油の熟成最終段階に近い安定な状態を作っているとのこと。
つまり、添加物は全く使用していないよう。
はじめはもっといかがわしい商品かと思っていたが、そこまででは無さそうだ。
しかしアルコールを添加すると少なからず酵母や乳酸菌の生育に影響があるのではないか?
という疑問が浮かんだ。
つーことで、問い合わせてみた。
結論としては、生育には問題ないらしく、その対策の一つとして、通常の麹菌ではなく塩分ゼロの仕込用に培養した麹菌を使用しているとのこと。
この麹菌はおそらく突然変異株(もしくはそれに近い変異株)であろう。
こういう変異株を食品や医療品に用いるケースは良くあること。
代表的な例としては某化学調味料メーカーの化学調味料。
あれは、サトウキビからその化学調味料の素を搾り取っているわけでは全くありませんよ。
実際は人工的に作られたグルタミン酸の産生能がある細菌(時には)をサトウキビから抽出した糖分(エサ)や種々のビタミン、無機質、薬品が含まれる培養液の中での発酵によりグルタミン酸が作られると言うもの。
ま、変異株を使うこと自体を一概に良いとも悪いとも言いませんが。
さて、あと気になるのは醸造期間の違いくらいだろうか?
ということで確認したのだが、この蔵で通常の濃い口醤油は7ヶ月で醸造しているそう。
そしてこのSOY-ZEROは4ヶ月で醸造可能との事。
これも一概に何が良いとか悪いではありませんが、醸造期間が短くできることにより、商品として売り出すまでの手間が省けるし、売る側としては一定のメリットはあるのでしょう。
ただし、熟成期間が短いと言うことは絶対的に味は劣るはずではある。
本来、醤油には塩は必須である。
塩が保存性を高め、その過程で乳酸菌、酵母がゆっくりと育つ。
そして徐々に熟成され、旨みが出て丸くなってくる。
保存性を高める目的であった塩もこの旨み、味わいを引き出す大きな手助けとなる。
こうして長い時間をかけて作られた真っ当な醤油は味も香りも最高のものに仕上がる。
これはアルコールを添加することによって作られた商品では絶対に出せないものだ。
発酵食品はあくまでちゃんと熟成してこそ。
この商品も一定の有用性はあるのだろうし、存在価値まで否定はしません。
しかし、本来日本人にとって塩分を排除する理由も全く無いわけです。
今回はあまりまとまらない記事になってしまったが、まぁ覚え書きまで^^;
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放置してたわ。
どーなってるかなーww
焼き菓子のように加熱するとカラメル風味になるかもしれませんけど。
味や香りにおいて、本物の醤油にはきっと敵わないのだろうなと思いますが、高血圧で塩分を気にされている方には有用ではないでしょうか?
日本人には本来塩分制限は必要ないとのご意見のようですが、非常に興味があります。私も血圧高め且つ美味いもの好きなもので。それについての記事を以前お書きになられているのですか?
どうなんでしょうねぇ。
一度は試してみないといけないかもしれません。
搾りましょう^^
なるほど。それもいいのかもしれませんね。
そうですね。特別な疾病には有用かもしれないですね。
ただ、やはり醤油で減塩と言うのはどうも腑に落ちません。
おっしゃるように、僕は特別な例外を除けば日本人には本来塩分制限は必要ないと考えています。
塩分制限の不要のみを題材にしたことはありませんが、ところどころで何度か関連の記事や文章を書いております。
参考までに。
tabe-aruki.seesaa.net/article/206797329.html
tabe-aruki.seesaa.net/article/119497975.html
tabe-aruki.seesaa.net/article/243040638.html