2011年02月21日

トランス脂肪酸という無意味な栄養表示。


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<トランス脂肪酸、食品に含有量表示へ>
というニュースが発表されました。

その記事はこちら
(全文抜粋)
マーガリンなどに含まれ、過剰摂取すると動脈硬化などを引き起こすとされるトランス脂肪酸について、消費者庁は21日、食品事業者が任意で含有量を表示する際の指針をまとめた。同庁はこの指針をベースに、トランス脂肪酸の表示を他の栄養成分とともに義務化する方針。義務化に先立ち、なるべく指針に沿った表示にするよう関連の業界団体に要請する。
 指針によると、トランス脂肪酸の含有量を表示する際には、熱量やたんぱく質などの一般的な栄養表示のほか、脂質の一種で同じように心疾患につながる恐れがある飽和脂肪酸やコレステロールの含有量も合わせて表示する。
 食品100グラム(飲料水などは100ミリリットル)あたり0.3グラム以上のトランス脂肪酸が含まれる場合は含有量を明示し、0.3グラム未満の場合は含有量0グラム、または「ゼロ」「フリー」などと表示できる。
 この指針自体に事業者への強制力や罰則はないが、仮に事業者が不適切な表示をすれば景品表示法違反になる可能性がある。
 トランス脂肪酸はマーガリンやショートニング、これらを原材料とする菓子パンやケーキなどの食品、揚げ物などに含まれており、米国や韓国などではすでに表示を義務付けている。



個人的にはトランス脂肪酸の含有量を表示をすることは有益であることはおろか、無意味どころか有害だと考えている。
こんなことを言い出した大バカはどこのどいつか知りませんが、即刻中止していただきたい。
これを良いことだと思った方はぜひ違う側面からこの事態を考えて見てください。

そもそもトランス脂肪酸は天然にはほとんど存在せず、人間が人工的に作り上げたマーガリンなどに多く含まれているもの。
なぜそうものができるのかという点は省略するが、このトランス脂肪酸が動脈硬化のリスクになるとされているのである。
したがって、一見こういう物質の栄養表示をすれば危険を避けられるように思えるが、そんな単純にことが進むわけがありません。

>食品100グラム(飲料水などは100ミリリットル)あたり0.3グラム以上のトランス脂肪酸が含まれる場合は含有量を明示し、0.3グラム未満の場合は含有量0グラム、または「ゼロ」「フリー」などと表示できる。
この一文が本当に義務化されれば日本はもう終わりだと断言できます。

ではそれはなぜかと言うことなのだが、トランス脂肪酸が「ゼロ」「フリー」と表示された油脂類が販売されれば、それがヘルシーだなどと勘違いして購入する人が増えます。
これは断言できます。
しかし油は油です。トランス脂肪酸が含まれているかいないかと言う問題よりも、使いすぎれば完全に体には悪い方向にしか働きません。
別の観点だが、現に今売り出されている「コレステロールゼロ」や「体に脂肪が付きにくい」油を買う人がとても多いんですからね。同じことが起こるのは容易に想像できます。
もちろん情報を取捨選択できる能力がある方にとっては何の問題もありませんが、そうでない方が大半を占める中、この表示は有害と言うほかありません。
つまり、日本人を押し並べて見ればこの表示により勘違いをする人が増えるのはもう目に見えています。

ご存知の方も多いかもしれないが、アメリカではすでにトランス脂肪酸の表示がかなり前から義務化されています。
某フライドチキンチェーン店ではトランス脂肪酸の含まれた油の使用を廃止したくらいですから。
ではその表示の義務化によって何が良くなったかというと別段効果は出てないだろうし、その一方で肥満人口の割合は急激に上昇しているんですからね。
→その参考となるFLASHアニメはコチラ

簡単にまとめると

トランス脂肪酸ゼロの表示
     ↓
普通の油よりヘルシーだから購入(なわけねー)
     ↓
たっぷり使っても安心♪(なわけねー)
     ↓
肥満助長or脂質の摂取過多
     ↓
生活習慣病助長


この流れが間違いなく起こります。
いいことなど何一つ無いのでこういう表示は絶対にして欲しくありません。
そもそも日本人は農耕民族であり、一般的に油には強くありません(油を代謝する能力が低い)。
日本でこれだけバカみたいに欧米の栄養学(笑)を叫び続け、なぜ消化器系の疾病や婦人科系の疾病が増え続けているかということを考えた上で、もう一度考え直して欲しいと強く願います。

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posted by 1031 at 21:05| Comment(8) | TrackBack(0) | 栄養学など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
いつもUPを楽しみにしています。

この件、どうも気になることがいっぱいです。
自然界に人間ほど植物性油脂を摂取するような動物はいないと思います。トランス脂肪酸以前の話なのではないかとも思われます。

これからTPPがらみの規制緩和など、ちょっと目を離すと怖いことがたくさんでてきそうですね。

今日の記事にリンクさせていただきました。
ご了承ください。
Posted by デリス・カフェ at 2011年02月22日 18:12
デリス・カフェさんへ

いつも見ていただいているんですね。ありがとうございます!
本当に怖いことだらけです。
トランス脂肪酸だけに焦点を当てることには意味が無いと思います。
リンクありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
Posted by 1031 at 2011年02月22日 22:53
某レシピサイトを見てると、バターを使わないから低カロリーとか書いてあるのがよくあります(植物性油脂を使ってる)。
バターの方が植物性油脂よりカロリーは低い。
イメージだけで調べもせずにそうなってるんでしょうね。
バターを使わないからヘルシーとか。
バターは別にヘルシーじゃないわけじゃないですよね。
植物性油脂だからヘルシーだというわけでもなく。
一辺倒に何が悪い良い云々じゃなく、上手に摂取する事が一番の「ヘルシー」だと思うんですよね。
それができないから「これならいいですよ」って決めて欲しいんでしょうけどね。
Posted by りるきむ at 2011年02月26日 14:53
りるきむさんへ

それ、ホントによくありますよね。
ひどいところになるとマーガリンは植物性だから体にいいとか言っちゃいますから手に負えないです。
「これが体にいい」というとそれしか見えなくなっちゃうんでしょうね。おっしゃるとおり簡単で分かりやすいからそうなるんでしょうが。
Posted by 1031 at 2011年02月27日 19:29
お久しぶりです!拝見いたしました!
相変わらずおかしな専門家たちで困りますね笑

似たようなことがこちらの世界でも、
CKD患者に高血圧の薬処方

副作用で高カリウム血症

高カリウム血症改善剤処方

副作用で便秘

緩下剤を処方

効きすぎて下痢

整腸剤

何処までも続く…

「結果」薬浸け、健康保険料の無駄等々…
薬の世界でもアホはことはたくさんあって困っております。

また時々来ます!
Posted by てつろう at 2011年03月15日 22:50
てつろうさんへ

久し振りです!
専門家と呼べる人が全く持ってダメな人ばかりで困りますね。
薬の世界もそうですか。
現代の医学ではそういう対症療法ばかりに重きを置いているからなのでしょうか。
もちろん対症療法がダメと言うわけではありませんが、もう少し考えた方が良い部分は多々ありますね。
CKDに対する降圧剤のエビデンスはどれくらいなのかも気になりますし。

こちらこそまたよろしくお願いします!!
Posted by 1031 at 2011年03月16日 20:12
いつも情報を有難うございます。
テレビでアメリカはトランス脂肪酸表示と見た事ありますが、その時は軽く考えていました。(私はそんなにマーガリン食べないから)
でもよーく調べたらショートニングも!ビックリしました…。
天然にはほとんど存在せずの事でしたがオーガニックのショートニングがあったけど、これは?もしバカな質問でしたらゴメンナサイ…。
Posted by あくび at 2011年03月25日 12:19
あくびさんへ

アメリカはずいぶん前からトランス脂肪酸の表示をしていますね。だからと言って何か効果があったかというと、なにも無いというのが現状です。
トランス脂肪酸フリーのポテトチップを食べまくるのでしょうかね?
鋭い質問ありがとうございます。オーガニックのショートニングについては僕も以前から疑問でした。
なぜそこをオーガニックにする必要があるかという点もそうですし、どのように作っているのかも疑問です。実は僕も分からないので的確なお答えをすることが出来ず、申し訳ありません。もう少し勉強しますね。
またなんでも疑問などをお聞かせくださいね!
Posted by 1031 at 2011年03月27日 08:48
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