人気ブログランキングに参加しています。
お時間が許せば、ぜひコメント欄まで目を通していただき、多数の読者の方や僕がどのような考え方であるかを見ていただけると嬉しいです。

さて、前編で牛乳を食品学的観点、栄養学的観点から掘り下げて、その特徴を簡単にまとめました。
そして現代の日本人はカルシウム不足なのではなく、リンの過剰摂取状態にあり、カルシウムの吸収不全を招いている可能性を説明しました。
では「リンの過剰摂取を招いた最大であり、最悪の原因は何か?」という点について。
そう、それは・・・

それはなんと、加工食品やインスタント食品の消費増加なのです。
加工食品やインスタント食品とは具体的に言うと、ハム、ソーセージ類、練り物、スナック菓子、冷凍食品、インスタントラーメン、缶詰、レトルト食品etc...など挙げ出すとキリが無いくらい。
こういうものにはほぼ例外なく、保存料、pH調整剤、結着剤、その他もろもろの添加物としてリン酸塩(リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、その他多数)が含まれる。
しかもこのリン酸塩・・・、物によっては使用基準が無い。
つまり法によってこれ以上使ってはいけないというラインが決められていない物もあるのだ。
このリン酸塩こそが最大の元凶なのである。
先にも述べたとおり、リンの過剰摂取は直接骨形成に影響する。
こんな物を長期にわたり過剰に摂取していれば、いくらカルシウムを取っても骨は強くならない。
逆に言えば、加工食品やインスタント食品がほとんど存在しなかった頃はカルシウムの摂取量は少なかったものの、リンの摂取量も現代に比べ格段に少なかった。
これこそがカルシウム摂取量における一番の問題点である。
リンの摂取量も鑑みず、カルシウム摂取量に一喜一憂することはどれだけ無意味なことか分かっていただけただろうか。
牛乳をカルシウムという観点でしか見ず、猫も杓子も牛乳を飲めという教育をすることなど、それこそ愚の骨頂である。
骨折が、骨粗鬆症が、そして子供の発育が心配なのであれば、カルシウムの不足ではなく、リンの過剰に注意すべきである。
牛乳に相談しても何も解決してはくれない。
そういうことを全く理解せず、「子供の成長には牛乳!」思っている親がいるとすれば、即刻やめていただきたいと思う。
牛乳が好きで飲む分にはいいと思うし、飲むことが完全に悪だとは言わないが、人間の子供にとって牛乳は栄養が過剰すぎる。
ちょっと考えてみて欲しい。
牛の子供が短期間で数十kgも数百kgも体重を増やせるのはなぜだろうか?
それは牛乳と母乳の組成の違いにある。
そもそも牛と人間の成体を比べてもその体重差は歴然である。
牛は短期間で大きく成長する必要があるため、牛乳にはタンパク質や脂質が多く含まれる。
人間は牛に比べると非常にゆっくり成長する。そのため多量のタンパク質や脂質は必要とせず、その代わりに母乳には糖分(乳糖)が多い組成となっている。
この組成こそがまさに人間にはぴったりなのである。
無理に人間に牛の乳を与えることは、栄養過剰になりやすく、小児の肥満や脂質異常(高脂血症)、ひいてはホルモンバランスの崩壊をも招くこととなる。
牛には牛に適した食べ物があり、人間には人間に適した食べ物がある。
それを全く考えず、ただ「栄養素が豊富」だと言う理由だけで牛乳を推奨することは甚だおかしい。
繰り返すが、「子供の成長のには牛乳!」だとか「水を飲むくらいなら牛乳!」というおバカな考えを持っている方は即刻やめた方が良い。
少なくとも牛乳を飲むことは健康上なんのプラスにもなりませんから。
以上を簡単にまとめれば、
・日本人はカルシウム不足ではなく、リンの摂取過剰である。
・成長と言う観点から見れば人間に牛乳は必要ない。
・現在のカルシウム摂取基準自体がおかしい。(これはカルシウムに限ったことではないが。)
・乳糖不対症について
乳糖不対症とは牛乳中にほぼ限定的に含まれる「乳糖」が分解できないために、お腹を下す症状のことを言う。
全般に日本人には欧米人に比べて乳糖を分解する酵素であるラクターゼの活性が低い人が多く、牛乳が体質的に合わない人が多いとされる。
実は乳幼児期にはこの乳糖を分解するためのラクターゼの活性が高いのだが、徐々に大人になるにつれラクターゼの活性が低くなってくる。
つまり乳糖を分解できない体になってくるのだ。
しかし、これは至って自然なことである。
なぜなら、大人になれば乳糖を分解する必要がなくなるのだから。
したがって「乳糖不対症」という、乳糖を分解できないことがいかにも劣っているかのように書くのはちょっとおかしいような気もする。
一部ではこの乳糖不対症を「乳糖分解酵素活性持続症」とする動きもある。
つまり、牛乳を飲んでお腹を下す人は至極健全な体であるのです。心配なさらず。
ま、かく言う僕は"乳糖分解酵素活性持続症"なのですが(笑)
・嗜好品としての牛乳
誤解の無いよう書いておくが、僕は牛乳の存在意義を否定しているわけではありません。
おいしいと思って飲んでいる人や、好きで飲んでいる人が飲むことはもちろん良いと思う。
それに特に洋菓子なんかはやっぱり牛乳や乳製品がたっぷり使われていた方がおいしいしね。
つまり牛乳は嗜好品としてはいいが、好きでもないのに、栄養を補うだとか、体にいいからという観点で飲む必要はないし、そうであれば飲まない方が良い。
それでも牛乳は子供の成長に必須だと考える動きはそう簡単にはなくなりそうに無い。
ここでちょっと僕の知人の話をさせてもらいたい。
その知人は食に対し非常に幅広い知識を持つ方で、二児の母である。
僕が知る限り、これほど自分と考えが合う人はそうそういないと思える、とても尊敬すべき人だ。
その方は子供に牛乳を飲ませてはいないそうだ。
そのことをママ友に話すと、決まってこう聞かれるそうだ、
「牛乳を飲ませないなら豆乳を飲ませるの?」
その方も言っていたが、なぜそういう考えになるのだろうか。
どうしても「乳」を飲ませないといかんのか!?
その方の答えは当然「別に豆乳も飲ませません(笑)」ですが。
ちなみにその方の名誉のために付け加えておくが、牛乳はあえて飲まない(飲ませない)だけで、おいしいケーキを焼くときにはちゃんと牛乳を使いますし、バターもたっぷり使います。
無理に豆乳を混ぜて焼いたり動物性食品不使用(笑)で焼いたりしません。
・まとめ
最後に僕の牛乳、およびカルシウムに対する考え方のまとめです。
・牛乳は飲まないに越したことは無い。
・牛乳を飲むことで栄養上プラスになることは全く無い。
・でも牛乳が好きで飲むことは全く悪いことではない。(できれば低温殺菌、ノンホモが良いが)
・牛乳を飲んでも身長は伸びない。
・日本人の平均身長が伸びたのは食の欧米化による栄養過多のせい。
・その栄養過多により平均身長は伸びたが、同時に生活習慣病も急速に増えた。
・嫌いなのに無理して飲む必要は全く無いし、それどころか悪影響すらあると考えられる。
・だからと言って代わり豆乳を飲む必要も全く無い。
・日本人は牛乳を飲んでお腹を下す方が正常。
・日本人にとってカルシウム必要量の基準は多すぎる。
・現代の日本人はカルシウム不足ではなく、リンの慢性的過剰摂取状態。
・リン過剰摂取の一番の原因は、加工食品やインスタント食品の消費増加にある。
・給食に牛乳は即刻廃止すべき。
日本人は牛の子か 〜前編〜 はこちら
日本人は牛の子か 〜後編〜 はこちら
人気ブログランキングに参加しています。